11.おまけ-助けてもらう事は恥ずかしいことじゃない

利用できるものを利用しない手はない

1.お金持ちについての中で「元々お金を持っている人」がいるという事に触れたが、決してネガティブな意味で書いたわけではない。

お金の話に限らず、色々と「自分の力ではない有利なポイント」がある人も多いと思う。

親からの遺伝の運動神経、健康な体、住環境の良い生まれた街、偶然出会った友達、学校や職場の仲間

親に頼らず自分の力でやりたい

こんなセリフはかっこよく聞こえるかもしれないが、そんな小さな自尊心や自己満足のために、有利なポイントを放棄する必要はないと思う。
 

世界の偉人も、生まれつき恵まれている人がほとんど

インド独立の父と呼ばれるガンディーも、インドの裕福な家に生まれた。
学生時代のガンディーの成績は、かなり悪かったにも関わらず、両親の支援(経済力)でイギリスの大学に留学し、イギリスで弁護士の資格を取得できたからこそ、みんなから尊敬されるような偉業を成し遂げられた。

細胞の発見者ロバート・フックも、生まれつき体が弱かったが、フックの父親は英国国教会の力のある神父だったので、家庭教師で勉強を続け、オックスフォードに入学することができた。
その後、オックスフォードの王党派のコネで王立協会の要職についている。
王立協会で研究できていなければ、細胞の発見はできなかったかもしれない。

例を挙げればきりがない。

ここで重要な点は、親の経済力や、コネがあったからと言って、その偉業の価値がなくなるわけではないという事だ。

 
ただし、もちろん、「親や周囲に頼りっぱなしでいい」と言っているのではない

自分で価値を生み出せなければ、「サポートがなければ自分だけではひたすら無能」ということになりかねない。

それは偉業でも何でもない。
 

問題は結果

サポートや自分の有利な境遇も含めて、利用できるものは何でも利用すればいい

有利な物があるのに使わずに、達成できない事の方がもったいない。

でも、結局は結果が伴わなければ、ただ頼り切っているだけになってしまう。

楽をするために利用するのではなくよりスピーディーに、より大きな目標を達成するために利用するという点を心がけておいてほしい。

10.ベーシックインカム時代は来るのか

誰も働かなくていい時代へ?

AI発達と機械化の果てに、誰も働かなくていい時代が来ると言われている。

ベーシックインカム(基本的な収入)の部分はAIが判断して、機械を制御し、機械が食料品や消耗品を作ってくれるので、人は生きていくために働くという状態から解放され、働かなくても生きていけるようになるという考え方だ。

ベーシックインカム時代がくれば、人の価値観は大きく変わり、お金に対する考え方、職業に対する考え方、リターンの考え方も、今とは全く違ったものになるだろう。

世界が一気にそうなればいいのだが、実際にはゆっくりと順番にやってくるという点は考慮しておきたい。

機械工学やコンピューターサイエンス、プログラミングエンジニアリングなどの仕事は、今以上に桁違いに必要となるだろう。
そして、今まで人間がしていた仕事を、AIと機械が代わりにするようになり、今まで当たり前だった仕事が消えていく。

その結果、ベーシックインカム時代に到達するまでの間に、とてつもなく苦労する人が沢山出てくると言われている

でも、それがいつなのか、どれ程のインパクトでやってくるのか、未来の事は誰にも分からない
 

未来の正解はそれこそ誰にも分からない

未来の正解は誰にも分からないので、
9.楽しい仕事、儲かる仕事の考え方で書いた通りに、現状から想像できる期待値や継続性を重視して考えた正解であっても、
それが、未来でもそのまま正解である保証はない。

職業選択の話で、現在では一番難しい職業の一つだと言ったeスポーツ選手が、未来になったら、一番アツくて、一番期待値の高い職業になっているかもしれない。
もちろん、なってないかもしれない。

誰にも分からないからこそ、一度決めたらそれでOKではなく、みんなが言っているからOKでもなく、何歳になっても、常に自分で考える習慣をつけておこう

9.楽しい仕事、儲かる仕事の考え方

リターンを考えるだけでは不十分

仕事を考えるうえで、よく基準にされるのは「給料が高いかどうか」「楽しいか(楽か)どうか」「安定しているかどうか」の3点で判断されることが多い。

給料が高い職業は、話題になることが多く、「XXになれば年収xxx万円」などと言われると分かりやすい。

楽しいか(楽か)どうかは、「残業がない」「ノルマがない」「オフィスワークです」など、自分がやりたくない事はしなくていいような内容であれば、良さそうだと感じる。

安定しているかどうかは、「クビにされない」「大企業なので会社が潰れない」などで判断される場合が多い。

一般的に、自分がかけた時間に対して得られる金額を「リターン」と言うが、
最近では「楽しいかどうか」「安心していられるか」をリターンとして考える人もいる。

人の価値観はそれぞれでいい
お金の多さよりも、楽しさを優先する人もいるだろう

ただ、どんなリターンにしても「リターン」が良いか悪いかだけで判断するのは危険だ。

 

未来の事は期待値で考える

今の事は「リターン」で考えるのは自然な流れだが、未来の事は「リターン」だけでなく「期待値」で考えるように心がけよう。

期待値は「実現可能性」X「平均リターン」から計算される。

話を単純にするために、リターン=お金として考えよう。
例えば、いわゆる「普通の子供」の場合で考えるとしたら…

プロ野球選手は、平均給料(年俸)は高いが、なれる確率が低いので、期待値も低くなる。

銀行員の場合は、平均給料はまあまあ高く、なれる確率もまあまあ高いので、期待値は高め

ただし、人それぞれで条件は違う。
違う人の場合も考えてみよう。
「甲子園で優勝した高校のレギュラーの子(勉強はできない)」
の場合なら…

プロ野球選手は、平均給料(年俸)は高く、なれる確率もかなり高いので、期待値はとても高くなる。

逆に、銀行員で考えると、平均給料はまあまあ高いが、なれる確率はかなり低くなる。
ということで、期待値は低くなってしまう
 

なので、一般的には実現可能性が低い道でも、自分にとっての期待値がどうなるかは分からないから、どんなことでも、始める前から完全に諦める必要はない

しかし、早い段階から期待値の低い事に全てを賭けてしまうことはかなり危険な状態だと言える。

 

継続性も大切

リターン、実現可能性(期待値)と共に重要なことがもう1点ある。

それは継続性だ。

プロ野球選手は、頑張っても40歳ぐらいまでしか活躍できない。
「リターン」は大きいが「継続性」は半分になる。

となると、最低でも現役時代に人の倍は稼がなければいけないことになるし、その後、収入が少ない状態で生きていく時間も、人の倍長くなる。

次に、身近な職業の例として Youtuber で考えてみよう。

前提として、動画を作る技術があり「実現可能性」は高いことにしておく。
自分の好きな事なので「リターン」も高い

ただ、「継続性」は限りなく低い

20代のころから始めたとして、40年間 Youtuber だけで稼ぎ続けるのはほぼ100%不可能だ。

10年前まで Youtube の運営会社が、クリエイターにお金をくれる仕組みがなかったので、そもそも Youtube で稼ぐことなどできなかった。

それと同じで、40年後に Youtube が今のままサービス継続している可能性もほぼゼロだからだ。

趣味(副業)で Youtuber になることは、そこそこ良い選択かもしれない。

趣味であれば、期待値もそれなりに高いかもしれないが、

職業として Youtuber 1本でやっていくのは厳しいと言わざるを得ない。

Youtuber になるならなるで、Youtube 以外の収入源を確保しておいたり、そこから別のモノに展開していくために、常に考えておく必要があるだろう。

 

最終的に選ぶのは自分!

eスポーツ選手でトップになれれば月収30万円
優勝賞金1億円の大会もある。
などとよく言われるが、eスポーツ選手の平均収入はとても低い

という訳で、リターンはかなり低く、期待値もとても低く、継続性もめちゃくちゃ低い

職業として最も難しく、最も見返りが少なく、将来最も苦労する確率が高い職業の一つだと思う。

でも、じゃあ、それでもeスポーツ選手に絶対になりたい人はどうすればいいのか?

これは、
自分で決めて自分で選んだのなら、一生懸命頑張れ。」としか言いようがない。

難しい道を選ぶことは、悪ではない

ただし、その結果としての自分の人生は、自分自身の責任で生きていくしかない。
社会が悪い、運が悪い、周りが悪い、会社が悪いなどと言い訳を言っても何も良くならない

自分が難しい道を選んでいることを自覚して、それが実現できなかった場合でも困窮しないように、バックアップを用意しておくなど、自分の人生を楽しく過ごしていくことができるように常に考えておこう。

 

最後に

蛇足になるが、「抜け道を探す(少しズルをする)人」よりも「真面目にやっていく人」の方が、総合的なリターンはかなり高いという研究結果がある。

ドラマなどで、ズルをしたり人を裏切って出世しても最終的にダメになったりするように、

現実世界でもその通りだと、しっかりと研究データで示されている。

しかも日本だでけなく、アメリカでもヨーロッパでも、更に中国でもそうだという事だ。

これも、抜け道は、継続性が低かったり、そもそも違法だったりする場合が多いからだ。

もちろん、違法という時点で、人に迷惑をかけるという事なので、そもそもやってはいけないのだが、

それに加えて、一見儲かりそうな選択肢だとしても、違法行為であれば逮捕されればそれでお終い

継続性はとても低いし、逮捕されてしまったら、その後普通の人生に戻る事すら難しくなってしまうので、マイナスのインパクトが強すぎる。

違法だからダメだという当たり前の理由に加えて、期待値と継続性が低くて選ぶメリットもないし、その他のデメリットも多すぎる

違法でないとしても、いったん冷静になって、実現可能性、継続性から判断すれば、ズルをするよりも真面目にやっていく方が、最終的な総合的リターンが高いと覚えておこう。