5.お金を増やす方法

「お金を増やす」と一言で表しても、実はお金を貯める方法も3つある。

お金を増やす、お金を稼ぐ、お金を貯める、それぞれ微妙にニュアンスが違うが、ここではあまり細かく区別せずに書いていく。

その3つの方法とは…

・人や会社に与えられた仕事をして働く(=自分の時間、労働力の対価として)お金を貰う。

・自分の仕事をして働く(=自分の物やサービスを売って)お金を貰う。

・お金を使って、お金を増やす。

まず最もポピュラーな方法で、誰にでもできる方法の解説から。
 

人や会社に与えられた仕事をして働く

完全にゼロからお金を稼ぐ場合は、この方法以外はとても難しい。

バイト、就職(サラリーマン)などはほとんどがこれになる。

人や会社から、この仕事をやってね、この作業をしてね、と言われる事をやり、お金を貰う。

その仕事や作業は、自分の嫌なことかもしれないし、自分にとっては全く意味がないと思えるような事かもしれない

人や会社が「やってね」と言っていることなので、自分にとっては意味がない作業でも、会社にとっては意味がある。

自分が一生歩かない道を作る仕事だとしたら、しんどい仕事をしたのに自分が移動するのには全然恩恵がない。
でも、会社や国からすれば、その道路には意味があるので、仕事をしてくれた人にお金を払う。

いずれにしても、完全にゼロからお金を増やしていく段階では、ほとんどこの「人や会社に与えられた仕事をして働く」方法しかない。
 

自分の仕事をして働く

インターネットの普及や、世の中の多様性が増えたことによって、このパターンも誰でもチャレンジできるようになってきた。

自分で何かを仕入れて売る。
自分が得意なサービスを人のためにして、その代わりにお金を貰う(=自分のサービスを売る)。
自分で何かを作って売る。
などなど…

先ほどの「人や会社に与えられた仕事をして働く」と大きく違うのは「元手が必要」な場合が多いことだ。

何かを仕入れて売るならば、仕入れるためのお金が必要になる。
サービスを売る場合も、サービスをするための道具を揃えたり、必要な資格やスキルを取るために「投資」が必要な場合が多い。
自分で何かを作る場合も、(例えばYoutuberなど)カメラが必要、PCが必要など、いずれにしてもそれなりの準備が必要になる。

「人や会社に与えられた仕事をして働く」では、道具や手順は会社が用意してくれているので、言われた作業をこなせば、とりあえずOKという点が大きな違いだ。

なお、普通のサラリーマンや公務員は、会社で副業が禁止されている場合もある
 

お金を使って、お金を増やす

この方法で一番ポピュラーなものが銀行預金だ。

銀行にお金を預けておくと、金利がもらえてお金が増えていく。

今日本では1年間の金利が0.1%未満だ、100万円預けておけば1年後には100万1000円になる。

「人や会社に与えられた仕事をして働く」「自分の仕事をして働く」との大きな違いは、この2つの方法が、額でお金が増えていくのに対し、

「お金を使って、お金を増やす」場合はパーセンテージでお金が増えていく点だ。

貯金で考えた場合は、0.1%なので、大したことはないが、例えば株式投資で考えた場合は、大きく違ってくる。

仮に3%とすると、
100万円投資した人は1年で3万円増える。
1億円投資した人は1年で300万円増える。

3万円では、1回旅行に行ってしまえばお終い。
3万円稼ごうと思ったら、1週間きっちりバイトすれば、割と簡単に可能だ。

でも300万円となると、話は全然違ってくる。
1年間きっちりバイトしても300万円稼ぐことはほとんど不可能だ。

「お金を使って、お金を増やす」には、まず投資するお金が結構たくさんないと、あまり意味がない方法だと言える。

副業と違って、普通のサラリーマンや公務員でも全然禁止されていないので、投資するお金があれば誰でもできる
 

ちなみに、借金とは

お金を増やす方法ではないが、

「お金を使って、お金を増やす」方法の逆が、「お金を借りて、お金を減らす」方法、借金(ローン)だ。

イメージでは、例えば自動車ローンで100万円借りたとすると、毎月5万円ずつ返済していくなら、返すお金の合計は105万円ぐらいになる。

100万円現金で買う人に比べると、結果的に自分のお金は5万円少なくなってしまう。

なお、借金の全てが悪いわけではない。

「借金をして、新しく工場を作ったので、今までの倍の量を生産できるようになった」など、借金のうまい使い方もある。

4.そのうち考えようでは何も変わらない

お金を貯めるのはいいけどいつから貯め始めればいい?

いつから消費のしかたを考えればいい?

いつから投資を始めればいい?

難しい質問に見えるが、その答えはいつだろう?

一番シンプルで正しい答えは「今」

貯め始めるのは早ければ早い方がいい

上手な消費のしかたを覚えるのも早ければ早い方がいい。

投資を始めるのも早ければ早い方がいい。なお、ここでの投資は、金融投資だけではなく、教育費なども含めている。

「今は貯金ができない」「まだいいや」と言っていては、いつまでたっても状況は良くならない

何も意識しなければお金は減っていくので、できるだけ早い段階から、貯金、消費、投資について考えておこう。

3.お金の使い方:消費と投資

お金の稼ぎ方に関しては、5.お金を増やす方法 で説明するが、ここではまず 「お金の使い方」 を説明をしていこう。

世の中のほとんどの人は「お金を使う」と聞いて「生活費」「消費」のどちらかを思い浮かべる。

「生活費」はパンを買う、お茶を飲む、賃貸の家賃を払うなど。
ほとんど全ての人が払っているもだ。

「消費」は、絶対に必要なものではないが、遊びに行ったりするような、楽しい事が多い。
外食をする、映画を見る、スポッチャに行く、カラオケにいく、遊園地にいく、ゲームを買う(課金する)など…

必要な場合、不必要な場合のどちらでも、基本的にお金は減っていく。

生活費の目的は「生きる事」。
消費の目的は「楽しむこと」である事が多い。

あまり思い浮かべないが、もう一つのお金の使い方が「投資」だ。

これも、お金を使うのでお金は減っていく。
でも他の二つと決定的に違うのは、将来お金が戻ってくる事を意識してお金を使うという点にある。

一般的に「投資」と聞くと、株式、国債、定期預金、賃貸用ビルを買う、などを思い浮かべるかもしれない。
しかし、ここでは、将来お金が戻ってくる事を目的としてお金を使う事を「投資」と呼ぼう。

そうすると、「学費」「資格取得費」なども投資に含まれることになる。

優秀な学校に入り、高収入の仕事に就きたい、などと考えて塾に通う費用。

資格を取って、資格が必要な仕事をしようと思うことなど。

お金を増やす考え方として、「生活費」「消費」はできるだけ減らす方がいいが、「投資」を減らしすぎると、将来お金が増やせなくなってしまう危険性がある。

「お金を使うな!」ではなく「生活費と消費を減らせ!」という事を、意識しておく必要がある。
 

時間を使うために消費することは2重で損している

楽しい事をするためには消費する必要がある」というのは、当然のことのように思えるが、これは世間が作り出したマーケティングイメージだ。

世の中の会社は、みんなにできるだけ消費をしてもらって、自分たちの元にお金を集めようと考えている。

しかし、よく考えてみると「楽しみ=消費」である必要性は全くない。

お金を増やすことを楽しんでもいいはずだし、お金を使わずに楽しんでもいいはずだ。
 

また、別の視点から考えてみよう。

時給1000円のアルバイトをする」と、1時間で1000円お金が増える。
これは、言い換えると「自分の1時間を1000円で売っている」ということになる。

つまり、ある意味、時間はお金とも言える。

英語では、時間もお金も同じ「cost/コスト」を使って表現するように、「時間がかかる」ということと「お金がかかる」ということは本質的に同じことだ。

時間を節約するために、お金を使う」というのは(例えば電車に乗る..車で移動する..など)時間とお金が経済的には本質的に同じものだという事の、一番分かりやすい例だと言える。

にもかかわらず、なぜか世間では「お金を使って、楽しむために時間を使う」事が当たり前だと思われている。

「消費で時間を使う」ことは、お金が減って、時間も減るので、2重で損している(ってことは相手が一番得をしている)という事を忘れてはいけない。